渡邉 博史 写真展「楽な道、暗い道」 2011年9月2日(金)〜24日(土) 作家略歴 オリジナルプリント 写真集 |
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Gelatin silver prints, image size 10x10inches, matted in a 16x20inches archival matte, edition of 30, with Hiroshi Watanabe's signature and edition notations | |||
Copyright (c) Hiroshi Watanabe All Rights Reserved
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「 楽な道、暗い道 」
私 は何かのプロジェクトの撮影や写真展のオープニングなどのために旅に出かける時は、出来るだけ帰る日を少し遅くして、その街を歩いて見て回る。勿論カメラ を持って写真を撮るのがその目的だが、こうして撮った写真はたまると、表現としてある一定したまとまりをもってくる。何かははっきりと分かっていないが、 カメラを持って歩いているときは常にある何かを探しているらしい。自分で分っていなくても、歩いているとその内に必ずその「何か」が見つかる。そしてその 時、それがそうであったことは瞬時に分かる。相手が動いている人間や動物である場合を除き、すぐにカメラを構えない。まずじっとそのものを観察して見るこ とを楽しむ。そのもののどこに気をひかれたのをひとことで言えば、「?」ということになるようだ。一瞬では理解できないもの、自分の範疇から出ているもの に出会ったときに、それをもっと見たくなるから、私は写真にしてあとでじっくり見ようと写真を撮るようだ。こうして歩いて撮った写真は、写真のジャンルか らすれば「スナップ・ショット」かもしれないし、「ストリート・フォトグラフィー」なのかもしれない。しかし、こう呼ばれている写真はどちらかと言えば、 写真家の社会意識を前提として作られていることが多いが、私の場合はそうではなく、むしろ私が写真から教えてもらおうとしている。
こ うしてカメラを持って歩くときは、まず地図を見て大体の方向を決めて歩き出す。大体午後の遅い時間が多い。その方向は地図で複雑になっているややこしそう なところだ。でも、長い間歩くと疲れてくるし、急な坂道や長い階段などは知らずのうちに避けてしまう。もともと必ずしも行かなくても良い場所なのだから 「楽な道」を行く。その内に時間がたってくると、横道がうす暗くなってきて目に入ってくる。良く見えないから、それにどうしても興味心をそそられる。それ でついつい「暗い道」にも入ってしまう。
渡邉博史 |
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