「 長江 六千三百公里をゆく 」
竹田武史
Takeshi TAKEDA
2021年9月発行
4,950円(税込)
菊判上製本/モノクロ写真133点
総ページ数160頁
HOME |
|
「長江」の源流への旅は過酷を極めた。
2台の四輪駆動車は幾筋もの河川を渡り、泥濘にはまり、酸素不足によるエンストを繰り返した。
車を降りた後は歩きに歩いた。
ようやく辿り着いたのは標高6621mの雪山の斜面を覆う氷河の舌端部(標高5500m)。
鋭く垂れ下がる氷柱から、何万年もの時を湛えた“雫”が滴り落ちていた。
身を低くして氷柱の下に潜り込み、その一滴を、指先にそっと受け止めてみる―
一瞬・・・時が止まった。
「長江」が、私の身体の中で、音を立てて流れ始めた。
|