「垂直方向」
増田 祐子
Yuko MASUDA
2010年10月発刊
2,300円+税
並製本/写真54点
サイズ 232×208×15mm
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動いては止まり、止まることに飽きては動き始める。
ただ流れていたいのだ。とどまっていたくない。
旅に出て、求めるものは見つかったのか?解決されたか?
分かったことは、そういうものは自分の中にしかないということではなかったか?
それでも、一度出てみないことには、それが分からない。
必死に移動しているのに、どこにもたどり着かない。
垂直方向の旅。
垂直に追求していくことは直接自分と向き合うということで、結構苦しい。
移動して風景を変えながら、或いは何かを通して向き合うほうが、楽なことは楽だ。
問題は、私がいくら私という固有を叫んでも、総体の中の一部分でしかないこと。
総体の中でしか生きていけないことが分かっているのに、私の固有は叫ばずにはいられないことである。
問題は、世界は私がそこに存在して初めて意味をなすということと、
私がそこに居なくても世界は依然存在するということとの、矛盾にある。
自分の選んだ道が果たして正しいのか確信が持てずにいるのに、
歩き続けなければならない・・・。
自分の人生なのだ。
Life goes on.
(著者あとがきより抜粋) |