「瀬戸内家族」
小池 英文
Hidefumi KOIKE
2017年1月発行
3,300円+税
上製本/カラー写真67点
サイズ 200×225×14mm / 500g
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瀬戸内海に浮かぶ小さな島で妻は生まれ育った。
夏休みと正月は東京を離れて彼女の島の実家で過ごす。それがぼくら家族の毎年の決まりごとになった。彼女の実家を訪れるようになって改めて気づいたのは、家族もまた風土によって育まれるということだった。
自分たちを取り巻く自然が日常と地続きであること。それを謙虚に受け入れてこそ幸せな暮らしが続いてゆくこと。四世代がともに暮らす家のなかには、彼らのそうした想いがしっかりと息づいているのが感じられた。それが子どもだった頃の妻にとって、世界への信頼感をどれほど育んだことだろう。
いま、彼女は母親となり、島の暮らしを子どもたちに伝えるようになった。
生きることを肯定するまなざしを、世界が信頼に足るものだということを、彼女はうまく子どもたちに伝えることができるだろうか。
ある日、そんなことをぼんやりと思いながら瀬戸内の海を眺めていたとき、幸福感を肯定する家族写真が撮りたい、という想いがふっと湧いてきた。
この本のなかにひとつの幸せの形が垣間見えるとすれば、それはぼく自身、「瀬戸内家族」の一員としてようやく彼らの方に一歩近づくことができるようになったからなのかもしれない。
(著者あとがきより抜粋)
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