『island』とは、いうまでもなく島のことだが、この寓意に満ちたタイトルには,読者をいろいろなところへ、あるいは遠いところへ連れて行く。
日本の代表的な油絵画家である野見山暁治(1921年生まれ,元東京藝術大学教授)に,絵本『しま』(1999年)がある。
この絵本も『island』と同じにたくさんの寓意が隠されており,イメージは広がる。
野見山の絵本に「島は,毎日,ちがう話をぼくにしてくれる」とある。『island』も同じだ。
撮影場所は、韓国のどこかなのだろうが、それは少しも気にならない。
写真の一枚一枚の印象からは、写真に対する信頼・確信がなみなみならぬものであることを感じさせるし,思念の広大さを感じさせる。
彼女は、写真の制作にあたってアイマイな気持ちは持たないのだろう。
この写真集は,李の第一作目である。 |