「Qualia」
大木 啓至
Yoshiyuki OKI
2017年11月発行
3,500円+税
上製本/写真90点
サイズ 245×165mm
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夜空に輝く火星の赤い光。
山に響く滝の音。
雨の日の匂い。
暗闇に飛び交う蛾の残像。
私たちが日常で触れる像や色、音などは、言語化することで同じような概念を共有することは出来ても、互いに全く同じ感覚を有することは出来ない。
そのような言葉では伝えることが出来ない意識に現れる感覚的質感のことを 「Qualia(クオリア)」と呼んでいる。
写し出された自身の表象は、他者に触れた瞬間から私の元を離れ、境界は曖昧になり意味さえも消え、やがて新たな視点を得て別のイメージへと変容していく。
私はあらゆる事象を見つめ掬い上げ続ける。
それらが波紋のように広がり、見る人の様々な記憶や感情の中で自由に感じてもらえればと思う。
大木啓至
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「カエルと彼の人生について」
大木 啓至
Yoshiyuki OKI
2015年9月発行
3,800円+税
上製本/写真95点
サイズ 290x225x17mm / 935g
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幼い頃、指先ほどの小さな干涸びたカエルを拾った。
それを他のがらくたとともに大事に箱にしまった。
十数年後、偶然その箱を見つけた。
カエルは骨だけになっていた。
私はその変化を美しいと思った。
見逃してしまいそうな小さな存在やありふれた風景の中に、私の視線は注がれる。
カメラは物の表層を写し出すに過ぎないが、
写真として手の中におさめることで初めて、
些細なものたちに触発された感覚が存在するものへと変化してゆく。
それはいつも私に驚きと喜びを与えてくれる。
私は写真を集めている。
(著者あとがきより抜粋)
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