1年の半分近くをアジアやアフリカへの取材旅行に費やす船尾修は、現地の人と仲良くなると、必ず日本と日本人についての質問攻めにあう。
最も困るのは,「お前の宗教は?」というものであった。
この質問に対して、一般的日本人はたとえ葬式仏教のお世話になっていても「無宗教」とこたえるだろう。
しかしこの答えは,海外では通用しにくく、いつも船尾は苦境に陥った。明確にこたえられなかったからである。
あるとき,大分県の国東半島を案内されて,「まだこんな場所が日本にも残っていたのか?」と自らの不明をはじるほど、そこには、「日本人の祈りの原型」があった。
それから間もなく,居を国東に移してみると,国東には,当初思い描いていた以上のカミサマホトケサマが蝟集していた。
わたしたちは、この写真集から,ニッポンとは何か,ニッポン人とは何かを考えるきっかけになるだろう。 |