「Evidence NAGASAKI」
松村 明
Akira MATSUMURA
2015年5月下旬発行
3,800円+税
上製本/写真49点
サイズ 256×259×13mm
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原爆投下中心地より北東500メートルの小高い丘の上に浦上天主堂がある。この教会の正面側に被爆遺構が点在している。4年前、私はこれらの天主堂遺構へ訪れた。キリスト像や首の無い立像等が並んでいる小さな場所があり、その前側の壁面上部に石像の天使胸像が並んでいた。像の顔に近づいて見ていると、鼻が欠けたり、ひび割れていたり、また顔の眉から下の目や鼻の造作がすっかり爆ぜ落ちたりしている。いずれも長年の風化により、苔やカビの斑点が見てとれ、経年による多少の変化があったにせよ被爆の衝撃を十分に伝えていた。もの言わぬ石像たちそれぞれの有様が私に強烈に訴えてきた。このことが、今回のシリーズへの取り組みの切っ掛けとなったのである。
(著者あとがきより) |