after reminiscence
‘reminiscence’に取り組み始めてから10年が経った。
自然の中で感じた時間の流れ、生命の痕跡、記憶のかけらは今も私の中で生き続けている。
記憶を記録することを通して、私は自然の中で自らの過去を思い出しているのかもしれない。
私は何度も同じ手法で写真づくりを繰り返すことで、生きている自分自身のバランスをとり
自分の全てを許すことができているのではないかとさえ感じることがある。
私は人生の瞬間瞬間を写真に写し出し、記録しようと試みている。
それは、まるでどこか自分の心の奥に隠された、鏡の破片を組み合わせるような作業だった。
時が経つにつれ、感情は変化している。
変化に従って、写真はその瞬間に広がりを帯びてゆく。
それは記憶の延長ではなく、「今を生きる現在の自分の姿」を反映しているのだと気付いた。 ‘reminiscence’シリーズの後、自然界が永遠に私を包み込んでくれているように感じている。
私の作品の本質的なコンセプトは、私自身と自然との関わりである。
自然と一体化すること、人類が自然と呼応し、人々を映し出す。
自然の中に身を置くことで、人生そのものが詩的な方法で変化してきたように思う。
私の作品は、自然と人間の間にある本質的で根源的なことについての物語を描いている。
それらは人生の短い断片である。
さらに、これらの瞬間を捉えた写真は、心の奥底に隠された、日々の記録のようなものだとも言える。
キム・ジョンア
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