加納満 写真展   

 Personal Signals

2024年5月31日(金)〜 6月29日(土)  加納満 作家略歴


オリジナルプリント

Copyright (c) Mitsuru Kano All Rights Reserved


全ての線を切られて電流を流すことのなくなった電柱。紛れもなく電柱であったものを見続けることで、それが何かを発しようとするアンテナのように見えはじめた。

「写真を撮る」ということは、まず視覚への刺激があり、そこから撮りたいという欲求が生まれ、撮るという行為に繋がるのが一般的だ。

しかしカメラという機械に依存するその宿命から、例え意図や欲求が希薄であっても撮れてしまう偶然性を内包し、また撮影者の思考がまとまる前に記録されてしまう場合があることも知られたところだ。 それ故、撮影の場では認識できなかったことが後々存在感を増したり、違った意味を持って迫ってきたりということもある。

撮るにしろ見せるにしろ表面だけで存在することが写真の本質でありその奥底などない。だが、ごく稀に、見続けることで増していくなにかしらの意識が、その写真からの静かな主張ではないかと感じると言えば、私と写真との関係性が少し見えてくるだろうか。

今回は、それら私に向けてなにかを伝えてきた写真を「personal signals」としてまとめてみた。

                                                                                                                                        加納満


(株)冬青社  〒164-0011 東京都中野区中央5-18-20  tel.03-3380-7123  fax.03-3380-7121  e-mail:gallery@tosei-sha.jp