森谷修 写真展

この道の行く先に

2023年12月1日（金）〜12月23日（土）　　森谷修 作家略歴

★クロージングパーティ：12月23日(土) 18:00～21:00 　※予約不要

★特別講座「組み写真の極意」
作家・森谷修さんによるワークショップを開催致します。

〈第1回〉12月13日（水）19:00〜20:30　 チケット購入はこちら
〈第2回〉12月20日（水）19:00〜20:30　 チケット購入はこちら

※講座内容は両日とも同じです。

多摩川の左岸。
東京と神奈川の境、海からちょうど10km入ったあたりが私の地元だ。
かつては大きな工場が立ち並び、その先には遊園地やレース場、古墳、巨人軍のグラウンドもあった。

なかでも私が小さい頃から慣れ親しんでいたのが、多摩川の土手。
あまり子どもと遊ぶことがなかった無口な父親と、
早朝にキャッチボールをした思い出の場所である。

やがて社会に出て仕事一辺倒になると、そこは急行電車で通り過ぎるだけになっていた。
再びそこが特別な場所になったのは、自分が父親になってからだ。
保育園の送り迎えで13年間、子どもと朝夕この土手を歩いた。
幼き我が子と眺めた夕焼け空が心に沁みるのだった。

多摩川周辺は今も、新しいカメラやレンズを買えば、
自転車を飛ばして試し撮りをしに行くホームグラウンドでもある。
かけがえのない我が故郷だ。

川の流れは、時の移ろい。
この地で私は、いつも未来を見つめていた。
この道の行く先に、まだ見ぬ何かがあると信じて。

森谷修