パトリック・タベルナ Patrick Taberna写真展
−作品案内− 時が経つにつれて、イメージは記憶を、そして物語を紡いでいく。 ここに集めたイメージの中に現れる私の息子、クレモンは、「アルル 2004年」では4歳、 「デン・ハーグ 2017年」では17歳。 最初の写真から最後の写真の間には、13年の年月が流れている。 これは、彼に捧げるシリーズである。 13年間、私は、子供から大人になっていく我が子の、 目に見えないほど微妙な日々の変化を写真を通して記憶に留め、彼の足跡を追ってきた。 私達の中にはいつも子供の頃の自分がいて、事あるごとにふと現れる。 イメージは、「これが子供の頃の私だ」という証として有効な手立てとなる。 空は、変わりやすいと同時に、時間にとらわれることなく不変であるが、 その変わらぬ空の下で、人生は刻々と過ぎ去ってゆく。 写真は、それをつなぎとめるための舫い綱だ。
Patrick Taberna