たけや いずる 竹谷 出写真展 ほと 陰の中 にほんのかけらY
作家略歴
−展示案内−
2019年、早春の岩手の里山を歩くつもりで登り口を捜していました。 早朝まだ薄暗い中、用水路に人影が見え、道を聞こうと声をかけました。 手にペットボトルを持った初老の男性が、朝の散歩時に野の草花を摘んで家で楽しむとのこと。 朴訥な物言いとその立ち姿に、私はこういう方に会いたいがために 田舎道をウロウロしているのだな、と強く思いました。 このような素朴なあり様は、「無くなっていく古き良き日本」ではなく、 現代の流れとともに細々としっかりと存在していくように感じられます。 命の震え・揺らぎを内包した風景、 自然物も人工物も自身もひとつのつながりのなかに感じられる風景を求めて、 日本中を旅しています。 歩き続けば何かに行き当たることもあるだろうという思いで、 予期できないことや、計算できないものを探し当てようと。 今回は2014年から2019年の間に主に岩手県で撮影したものを展示します。 竹谷 出