大木啓至 写真展 |
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タイプCプリント | |||
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夜空に輝く火星の赤い光。 私たちが日常で触れる像や色、音などは、言語化することで同じような概念を共有することは出来ても、互いに全く同じ感覚を有することは出来ない。 写し出された自身の表象は、他者に触れた瞬間から私の元を離れ、境界は曖昧になり意味さえも消え、やがて新たな視点を得て別のイメージへと変容していく。 私はあらゆる事象を見つめ掬い上げ続ける。 大木啓至 例えばわたしが、「空が青くて綺麗だね」と言ったとき、あなたが「そうだね」と返してくれたとして、けれど果たしてわたしにとっての「青」とあなたにとっての「青」は同じ色なのだろうか、わたしにとって「綺麗」なものは、あなたにとっても「綺麗」なのだろうか。 本作品は、そのように「言葉」に頼った人間の世界から、わたしたちを連れ出してくれるように感じます。 わたしたちは自らの知覚体験を伝達するとき、「もの」や「感情」ひとつひとつに名付けた言葉を頼っています。しかし、知覚体験そのものは決して共有することができません。 「Qualia(クオリア)」。「決して共有することができない」という切なさそのものをタイトルにしているにも関わらず、わたしはこうして言葉を紡ぎながら、「それで一体、あなたには、どう見えているのだろう」と、やっぱり想像せずにはいられないのでした。 ギャラリー冬青 キュレーター |
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