城林 希里香 写真展「Lines -America 2747 miles-

2008年3月1日(土)〜29日(土) 作家略歴     オリジナルプリント 写真集

C prints, 19.5x19.5inches, edition of 5 or 10, with Kiriko Shirobayashi's signature and edition notations

       
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地球がまるいとしったのはいつのころだっただろう、未だその事実が私を魅了する。
いくつもの点がつながり、線になり、その線は円を描く。
始まりもなければ終わりもない線。
自分が現存するこの場所も、この地球の一点であるという現実を、大切に思う。

いままで、多くの国々の地平線を、正方形のフォーマットの中に納めてきた。
今回は北米大陸50州を回って撮影したものを、一つの作品群に仕上げた。

ま とめられたアメリカ大陸も、この地球の一部の線である事を提案し、同時にアメリカのシルエットを描写した。視覚上、自然や人々の地域的な存在、地理や社会 的な構造、それらが作り出す風景をとりいれながら、様々なシチュエーションの中の地平線を見すえ捉えた。特に、地球とその他のエレメントが交わるその線に 焦点をあてて撮影を続けた。それは時にスカイクレーパーであったり、工場の立ち並ぶ産業風景であったり、何もない砂漠であったり人々が楽しむ海岸であった りと様々な場所である。

理論上、これらの写真はその地理的なイメージを提供するだけでなく、その風景を経験する人とのダイアローグであ り、鑑賞者たちに、これらの地平線が無限界に続き、私たちが一つの線上であるということを提供する。そして、正方形のフォーマットに納められた、地平線や 水平線は、その中にとどまらず、観る者の想像の中で果てしなく続く。
このコンセプトが、実際の作業を通して、今私が立っているこの一点に過ぎない場所が、どこかの誰かと繋がっているということを想像し実感させてくれた。

このプロジェクトは有形と無形の風景を求めると同様、地球のアウトラインを描き、今世の中で起きているあらゆる出来事を体現できたと思う。


城林 希里香


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