ハービー・山口 写真展「FLIGHT TO EUROPE」

かつては僕のパスポートがスタンプで一杯になり、ページを追加してもらったことがある程頻繁に海外へ行っていたのに、
ここ何年かは行く機会がなく、実に７年振りでヨーロッパ便に乗った。

降り立ったのは３月のデンマーク。
暮れなずむコペンハーゲンの街には小雪が舞い、赤いネオンが輝き始め、人々の雪を踏みしめる靴音が耳に心地良かった。
まるでクリスマスイウ゛の様に、美しく、楽しく、幻想的な光と影だった。

数日の滞在の後、住み慣れたイギリスへ到着した。
ケンブリッジ、オックスフォード、そしてコッツウォルズ地方。まるで中世そのものだ。
どの田舎街もとてつもなくのどかで人に優しい。
そしてロンドンでは何年、何十年振りに訪れてもほとんど変わらぬ街並みが僕を待っていてくれた。
かつてと同じ風景に再会するのはこの上ない安らぎだった。
２０代のほとんどを過ごした街、胸一杯に空気を吸うと、あの日、あの時の自分が蘇ってきた。

“再 び人生のスタート台に立とう！！”
そんな力強いエネルギーが胸の中に湧き起っていた。
こんな素敵な感覚はいつの日以来のことだろう・・・。

ハービー・山口